【参考:有価証券報告書/(株)ユーザーローカル(2019年6月期)】
「フリーキャッシュフロー」は企業が自由に
使えるお金
朝倉智也(あさくら・ともや)モーニングスター株式会社代表取締役社長(東証JASDAQ上場企業)1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、95年米国イリノイ大学経営学修士号取得(MBA)。同年、ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立および上場準備を担当。98年モーニングスター株式会社設立に参画し、2004年より現職。第三者投信評価機関の代表として、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努めるとともに、各上場企業には、戦略的IR(Investor Relations:インベスター・リレーションズ)のサポートも行っている。他にSBIグループ各社の重要な役員を兼任する。著書に『30代からはじめる投資信託選びでいちばん知りたいこと』(ダイヤモンド社)、『低迷相場でも負けない資産運用の新セオリー』(朝日新聞出版)、『新版 投資信託選びでいちばん知りたいこと』(ダイヤモンド社)などがある。
つまり減価償却費は、「実際にはキャッシュが出ていかないのに計上される」ものです。
経営をしていると、支払いや入金のタイミングなどにより、ビジネスを回していくために必要なキャッシュの額(運転資金)が、そのときどきで変わります。
この運転資金が枯渇してしまうと、たとえ黒字でも借入金の返済や支払いが滞ることもあり、倒産してしまうことさえあるのです。これが黒字倒産といわれるものです。
キャッシュフロー経営の本質とは?
会計
なぜキャッシュフローが大切なのか?
儲かった「利益」と実際に「残っているお金」の違い
キャッシュフロー経営の本質の第一は、
儲かった「利益」と実際に「残っているお金」がどうなっているかを明らかにすること です。
キャッシュをいかに生み出すかを考えて経営する
キャッシュフロー経営の本質の第二は、
損益計算書の「利益」だけではなく、 「キャッシュ」(手元に残るお金)をいかに生み出すかを考えて、経営の舵取りを行うこと です。
売上-「必要利益」=経費
キャッシュフロー経営の本質の第三は、
売上から「必要利益」を引いた残りで経費をまかなう経営を行うこと です。
お金を心配せず安心して仕事をする
キャッシュフロー経営の本質の第四は、
常にお金のことを心配しなくても安心して仕事ができるようにすること です。
「勘定合って銭足らず」を防止する
キャッシュフロー経営の本質の第五は、
「勘定合って銭足らず」を防止すること です。
アタックスグループ 代表パートナー 公認会計士・税理士 丸山 弘昭 数百社のクライアントについて「経営のドクター」として、経営・税務顧問、経営管理制度の構築・改善、経営戦略・経営計画策定、相続対策・事業承継、M&Aなどを中心としたコンサルティング業務に従事。幅広いネットワークと数多くの実績を生かし、経営者の参謀役、「社長の最良の相談相手」として活躍中。 丸山弘昭の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。
同じカテゴリーの記事 この記事を読んだ人には、以下の記事もおすすめです。
経理のデジタル化最前線~改正電帳法対応、その先へ~
「資金繰り表」を経営に役立てよう~その意義と活用法!
税理士法人・経営コンサルティングファームのアタックスグループが提供するコラムサイトです。
youtube アタックス社長塾チャンネル
にて当コラムを動画で解説しています。
アタックスグループ
各種ダウンロードシート
中期経営計画ハンドブック
ダウンロードする 決算書5期比較表(BS、PL)
ダウンロードする
目標管理・評価シート
ダウンロードする
事業承継計画書
ダウンロードする
年間セミナースケジュール
ダウンロードする
キャッシュフローとは何か
東証1部上場企業の株式会社ユーザーローカル(3984)の直近期から過去5期分の決算をさかのぼって、営業利益と営業キャッシュフローの推移を時系列で並べてみました。
各決算期で営業利益と営業キャッシュフローの金額はしっかり差が出ていて差額比率も10%~27%の間で推移しています。
それでは「営業利益」と「営業キャッシュフロー」の違いはどんな要因で生じているのか、そのポイントを考察していくことにしましょう。
【参考:有価証券報告書/(株)ユーザーローカル(2019年6月期)】
ポイント①数値の反映のタイミングが違う
下記のキャッシュフロー計算書では営業利益(利益ベース)を営業キャッシュ(キャッシュベース)に直すためにポイント①を調整していると見て取れます。
※具体的な調整の仕組みは細かな説明が必要です。今回は割愛し次回以降で説明します。
【参考:有価証券報告書/(株)ユーザーローカル(2019年6月期)】
ポイント②営業外損益や特別損益項目を逆算して営業利益からスタート
キャッシュフロー計算書のスタートを見てみると税引前当期純利益から始まっています。営業キャッシュフローを計算しているのに何だかおかしいと思いませんか?このおかしな部分を「営業利益」スタートに調整するためにポイント②が必要なのです。
【参考:有価証券報告書/(株)ユーザーローカル(2019年6月期)】
ポイント③営業費用だけど現金の動きのないものを除外する
ですが、減価償却費(固定資産を一定の期間で費用したもの)は毎期損益計算書に反映されます。これは過去購入した固定資産を分割で費用計上しているだけでキャッシュは発生しませんよね。だから営業利益にプラス加算してキャッシュが支出されていない分を調整することになるのです。
【参考:有価証券報告書/(株)キャッシュフローとは何か ユーザーローカル(2019年6月期)】
ポイント④税金の支払いを考慮する
キャッシュフロー計算書には営業キャッシュフロー以外に「投資キャッシュフロー」や「財務キャッシュフロー」があるのですが、そのどちらにも税金の支払いは分類されません。ですから、営業キャッシュフローを計算する過程でしかたなく「小計欄」の下で調整されるということになります。
【参考:有価証券報告書/(株)ユーザーローカル(2019年6月期)】
コメント